品種登録
品種登録の意義
新品種の育種には大変な手間と労力そしてお金がかかります。しかし、どんなに良い品種を育成してもそれが出回れば種を取られ、簡単に他人に利用されてしまいます。そんな育成者の権利を守るため、品種登録の制度があります。
品種登録の出願をした花卉や作物などが新たな品種と認められれば農林水産省のデータベースに登録されます。そして、新品種を育てた人はその登録品種の育成者権を得ます。育成者権者は登録品種を独占的に利用することができます。具体的には種苗の生産・販売などです。一方、育成者権者以外の人は育成者権者の許諾を得なければ登録品種を利用することはできません。育成者権者以外の者が許諾を得ないで登録品種の種苗や収穫物等を利用した場合はその利用の差止めや損害賠償を請求することができます。また、育成者権は売買や質権などの対象にもなります。
品種登録のできる作物
栽培される種子植物・しだ類・こけ植物・多細胞の藻類(のりやモズクなど)の全て・政令で指定されたきのこ32種が品種登録制度の対象となります。栽培されている植物であれば利用の用途(食用・観賞用・工芸用など)に関係せず登録できますが、山菜など栽培されていない植物は登録できません。
品種登録の条件の条件
新品種の認められるには下記の条件を満たしていなければなりません。
区別性:他品種と色や形など重要な形質が明確に区別できること。
均一性:同時に栽培した種苗からすべて同じものができること。
安定性:何世代増殖を繰り返しても同じものができること。
未譲渡性:出願の日より1年以上前に出願品種の種苗や収穫物を譲渡していないこと。外国での譲渡は4年(林木、観賞樹、果樹などの木本性植物は6年)です。
名称の適切性:名称が既存の品種名称や登録商標と紛らわしいものでないこと。
育成者権の有効期間
育成者権は永遠に認められている権利ではありません。権利が認められるのは最高25年(木本植物は最高30年)までです。また、権利を維持するには1年ごとに登録料を払わなければなりません。料金は以下のとおりです。
1~3年目 年間6000円
4~6年目 年間9000円
7~9年目 年間18000円
10~30年目 年間36000円
当事務所での手続きの流れ
まずは電話またはメールでお気軽にご相談ください。
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FAXまたはメールで簡単なチェックシートを送ります。
記入してFAXまたはメールで送り返してください。
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現地での直接の相談・説明
作物の確認
データの収集
写真撮影
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申請書類の作成
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農林水産省への出願
書類種子または試験管に培養した菌株の提出
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出願公示(2~3ヶ月)
官報及び農林水産省のホームページに公開されます。
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審査
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品種登録(2~3年)
30日以内に登録料の納付が必要です。